私はアトピーではありませんでしたが、ちょっとしたことからステロイド皮膚炎になってしまいました。
もう10年以上前の事です。

口のまわりが痒くて痒くてたまらない。
掻きむしっていると、口のまわりが真っ赤になり、まるで泥棒の様な顔にただれていきました(T.T)
当時まだ20代前半だった私は、恥ずかしくて外に出ることが出来なくなりました。
(幸いにも発症当時は仕事を辞めたばかりで無職でしたが)

「ステロイド皮膚症」なんて私自身も知らなかったし、当然家族もよく知らないので
「あんた、いい歳して家にばっかいるんじゃないよ!!外に出て働きなさい!!」
とよく、怒鳴られていました。

こんな顔で人前に出ろなんて・・なんてウチの家族は冷たいんだろう(泣)
と思いながら、でっかいマスクをして職安に通うフリをしていたことを思い出します。

覚えたばかりのインターネットで、色々と調べていくうちにようやく

「もしかして・・ステロイドが原因??」

と、ステロイド皮膚症へ辿り着いたのです。
前置きが長くなりましたが、私がステロイド皮膚症になった原因から完治するまでの記録を綴って見ようと思います。
私の経験が、少しでも誰かのお役に立てれば幸いでやんす。

そもそもステロイド皮膚炎って何?

ステロイド皮膚症(ステロイドひふしょう)とは、

ステロイド外用薬を長期に渡って使用し続けることによって起こるとされる一群の副作用が現れた皮膚の症状名。正式な医学用語としては認められていない。
ステロイド皮膚症は、古くは一般的(古典的)副作用のみを指す語として、一般の皮膚科医が用いることもあったが、近年では、中止にともないリバウンドを生じるような皮膚の状態を特に指して用いられるようになった。
現在では、一般的に皮膚科医が用いることはなく、アトピービジネスの業者や、その治療とされる行為を受ける一部の患者で用いられる俗語である。
このようなもっともらしい俗語は、患者を混乱させ誤解を招いている。

俗語なんですね。
これは、ステロイド皮膚炎なんて病気ね〜よ!っていう事なんでしょうか??

じゃあ、私が苦しんでいた症状は何て言うんだろう。
あ、病気じゃなくてステロイドの副作用ってこと??

まあ、病気だろうと、副作用だろうと、どっちでも良いんだけど、とにかく大変だったってことは覚えています。

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ステロイド皮膚炎の発症原因

昔から疲れた時などの抵抗力が弱っている時に、唇に湿疹の様な物が出る事がありました。
けれど、1〜2日すれば治ってしまうので気にしていませんでした。

その日も、唇に湿疹が出てきてました。
赤くなった唇を掻いていると、それを見ていた友達に、
「皮膚科行ってみたことある?ちゃんと見てもらった方がいいよ」と言われたのです。

あまり病院に行く習慣がなかったのですが、言われてなんとなく病院に行ってみようと思ったのです。
そして、近所の皮膚科へ受診しました。

「何かのアレルギーとかなのかな?検査とかされるのかな?」
と、病院慣れしていない私はドキドキしましたが、皮膚科の先生は私の顔を一瞬だけみて診断を下しました。

「湿疹ですね。」

・・・。
そして2つの塗り薬を渡されました。

黄色いフタの薬と、青いフタの薬。

病院の受付で、
「この青い薬は、唇を避けて薄く塗ってね。そんで、その上にこの黄色いのを塗ってね。カユミが無くなったら、青い方は塗るのを止めてね。黄色い方は、ただのワセリンだから使ってもかまわないから。」
と言われました。

ワセリン・・??

ワセリンという言葉すら聞いた事も無かった私は、その2つの薬の違いがよくわからないまま薬を貰って帰りました。
そして、言われた通りに青いフタの薬と黄色いフタの薬を塗りました。

唇は避けてって言われた気がしたけど、唇が痒かったので唇に塗りました。ヌリヌリ。

薬なんて使ったことのない私には見事に効いて、なんとその日の夜には治っていました。
もっと早くに病院行って薬貰っておけばよかったなぁ〜♪なんて、その時は思った気がするなぁ。

ステロイドを塗りたくって2年目で発症

湿疹が治ってからも、ワセリンをリップ代わりに塗っていました。
普通のリップよりもテカテカしてグロスみたい♪
なんて思いながら、ワセリンは私のお気に入りになっていました。

そして、たまに唇に湿疹ができると青いフタの薬を塗っていました。
この青いフタの薬がステロイド薬なのですが、当時は「ステロイド」なんて言葉すら知りませんでした。

ワセリンとステロイドの薬ケースは小さくて持ち運びに便利だったので、常に携帯していました。
ステロイドの効き目がすごいので、私は少し唇が荒れた程度でもステロイドを塗る様になっていました。
すると、あっというまに唇がツルツルになったのです。

同じ時期に、友達が唇が荒れて皮膚科に言った所、私と同じ様にワセリンとステロイドを貰っていました。
なんと、友人はリップ代わりにステロイドとワセリンを唇に塗っていました。

ふと気になり、
「私も同じの貰ったんだけど、こっちの薬(ステロイド)って湿疹が治ったら塗っちゃダメって言われなかった?」
と友達に聞くと

「え?言われなかったよ。私、普通に重ねつけしてる〜」
なんて言っていました。

それから、私もワセリンが見当たらない時には、リップ代わりにステロイドを塗ったりしていたのです。
今考えると恐ろしいことなのですが、当時の私は何も知らなかったのです。

そんなこんなで、2年くらいステロイドを塗り続けていました。
(薄くつけていたので、2年たっても貰った青いフタのステロイドは無くならなかった。)

外出不可能な顔になる


外出時はマスクで顔を隠す

「最近、唇の湿疹が頻繁にでるなぁ〜」
と思いながらも、湿疹が出る度にステロイドを塗っていました。

また、湿疹が出るときは、口のまわりが赤くなるようになりました。

「なんかおかしいな??」

と、感じ始めていました。
同時にステロイドを塗る量も増えていました。

「そろそろ、薬なくなっちゃうな・・薬をこんなに使っちゃって・・体に悪いんじゃないのかな??」

ようやく少しだけステロイドについて考える様になったのですが、湿疹はドンドン頻繁に出る様になっていたので、ステロイドを使うしかなくなっていました。

ちょうど、この時期に私は働いていた会社を辞めて、友達と一緒に台湾旅行へ行きました。
すると、台湾旅行の間は少し症状が軽くなっていたので、もしかしたら湿疹は乾燥が影響してるのかな?などと考えていました。
(日本はこの時、真冬で超乾燥してたのに比べ、台湾は湿度が高かった。)

そして、確信は無かったけれど、ステロイドを使い続けてはいけないような気がしていた。
しかし、私の口周辺の皮膚はステロイドがないと、すぐに痒くなり赤く腫れ上がるようになっていた。

もう湿疹が出ている時期は、マスクをしないと外出が出来ないくらいに顔が真っ赤に腫れている。
正確には口まわりが泥棒みたいな感じで腫れているので、完全に顔がギャグ。

本人は泣きたいくらい辛いんだけど・・ギャグです。

凄い早さで脱皮を繰り返す肌

しばらくステロイドを塗るのはやめようと思い、自然に皮膚が治るのを待つ。
けれど、ドンドン治るのにも時間がかかるようになっていたし、カユミもヒドくなっていたので、結局はステロイドを塗って治していた。

残していた日記によると、その頃のサイクルは・・

唇とその周辺が痒くなる。掻くのを我慢するがいつの間にか掻いており、ミミズ腫れの様に腫れる。

皮膚が熱を持ち、少し固くなる。

所々に血が滲む。乾燥がヒドい。

皮がポロポロとむけだす。無理に剥がすと血が出る。

皮膚が固くなってきて、口を動かすのが辛い。

皮がむけて、新しい皮膚になり普通の皮膚に戻る。

これを繰り返すのだが、ドンドン普通の皮膚の状態の時期がなくなっていく。
ヒドい時期は皮が剥けだしてる途中で、また痒くなってくる。

この時期に何度も何度も脱皮した。
スゴい早さで新陳代謝を繰り返している感じだ。
通常は28日で肌が生まれ変わるって言われているけど、この頃は4倍速くらいで肌が入れ替わっていた。
そして、気のせいかドンドン皮膚が薄くなっているような気がした。

家族に相談するが理解してもらえず

この頃から、本当に外出なんて無理!!
いわゆる引きこもりって言うのかな??いや、違うかも。
本当は外に出たくて仕方が無いんだけど、とても外に出られる顔じゃなかったのです。

でも、母親は「イイ年した大人が何もせずに家にいるとは、何事だ」「近所に怪しまれてるから、ハローワークに行くフリだけでもしてくれ」とか言って、毎日怒鳴ってきます。
ステロイドの事を話しても、あんまり話しが通じなくて「マスクすれば??」っていう感じでした。

とても無職で家にいる事は許されない家だったので、イヤイヤながらも面接に行ったりしました。
その時は当然マスクを取らなくてはいけないので、面接する会社に入る直前に、口のまわりに保湿クリームをたっぷりと塗り込んで、その上からクリーム状のコンシーラーを塗って、赤みを抑えました。

しかし・・

面接中に、少しずつピキピキいってくるのが分かったんです。
面接官も「あれ??」って顔をしながら、私の口まわりをチラチラ見て来ます。

(あ〜こりゃ、きっと出て来ちゃったな・・)

面接が終わって、速攻で鏡を見てみると、そこにはとんでもない顔が・・
会社の暖房のせいもあって、処置した部分がひび割れた土みたいにクッキリと線入ってたんです。
コンシーラーで赤み(腫れ)は抑えられていたけど、顔はガタガタに粉が吹いていると言うか、何と言うか・・

で、その日は家に帰る前にマスクを外して、わざとその顔を母親に見せるようにして帰りました。
(私、こんな顔だけど頑張って面接言って来たんだよ)と目で訴えかけながら、母に「ただいま」と言うと、私の顔をみた母は「何それ!?ちゃんとしなさいよ〜」と笑いながら言って来ました。

こんな顔では外出したくないのよ〜どうか、分かって〜・・

ネットで相談したら、自業自得と言われる

どうしたらいいのか分からなかったので、覚えたてのインターネットでステロイドの副作用に悩む人達の掲示板を覗いていました。
だいたいはアトピーが原因でステロイドを使っていて、抜け出せなくなったという方々なのですが、相談相手のいなかった私は、思い切ってその掲示板に相談してみました。
「発症の経緯」と、「今後どのようにすれば治るのかアドバイスください」的な感じで書き込んだんです。

そしたら・・

「なんでアトピーでもないのにステロイドを2年も塗り続けたんですか?調べなかったの?無知すぎる」「ご自分が悪いんですよね?」「普通は最初に医者に聞くでしょ」「説明しない医者なんてありえない。聞いてなかっただけでしょ。」

みたいな怖い返信の嵐・・
アドバイスなんて一個も無くて、とにかく「お前無知すぎるだろ」って内容でした。
この時「怖い!!ネットって怖い!!!!」って思ったのを覚えています。

その掲示板の人達は、多分本当に長年皮膚病に苦しんでいる人達で、私の知らない専門用語(薬の名前とか)がバンバン出てくる様な所だったので、私の様な無知な人間が気に食わなかったのでしょう。
とにかくそれ以来、私はネットの掲示板などに書き込むという行為は一切しなくなりました。

もう一度、皮膚科へ行ってみると・・

だんだんと、親も私の病状(?)に関心を向けてくれて「別の病院に行ってみたら?」と言ってくれるようになりました。
そんで、評判の良い皮膚科を近所で聞いてくれて行ってみたのですが・・

また、ステロイドをくれました(笑)

もちろん、今までの経緯は先生に話してみましたよ。
でも、やっぱり軽く目視してステロイドで終了でした。

ここでステロイドを塗ったら、また同じ事の繰り返しな気がする・・と思ったので、そのステロイドは使わずに家に帰ってネットで他の治療法を検索しました。

漢方病院へ行った見た

ある時、急にひらめきました。
そうだ、漢方だ!!

我が家は、ほとんど病院に行かないし、市販の薬も飲まない家だったんだけど、そのかわりに風邪を引いたり体調が悪くなったりすると、漢方を愛用していました。
昔から飲んでいる漢方なら、何とかしてくれるかもしれない!!と思って、漢方治療をしてくれる病院を検索しまくりました。

すると、特に皮膚病系を得意とする漢方病院を見つけたのです。
ちょっと遠かったけど、早速そこの病院に向かうと、なぜか「胃が悪いですね」と言われました。

その病院では、すべての病気の原因は胃腸の不調から来ていると言う考えらしく、私の今の症状も元を辿れば胃なんだそうです。

私「でも、ステロイドを使う前はこんな風にはなってなかったんですけど・・」
先生「でも、ステロイドを処方されたってことは、その前に何かしらの症状が出てたんでしょ?」
私「はい。疲れると、たまに湿疹が出ていました。」
先生「その原因が胃腸なんですよ〜なんちゃらかんちゃら・・・」

と、いう事で、その日から漢方を飲む生活が始まった。

その病院で処方された漢方薬は、煎じるタイプの漢方薬!!
これ、作るのがすっごい面倒だし、苦いんですよね。
(うちには漢方を煎じる専用のポットみたいのがあったから良かったんだけど、普通の家にはないよね。)

しかも、今まで飲んだどんな漢方薬よりも苦くてマズい物だった。
例えるならアスファルト!!アスファルトを飲んでいる味だった。飲んだ事無いけど。

この苦い漢方薬を飲み続けて1ヶ月。
しかし、結果はまったく効きませんでした(泣)

民間療法を試すことにした

ステロイドをやめて3ヶ月。
1ヶ月も飲み続けたアスファルト味の漢方薬がまったく効かなかったので、別の方法を試し出しました。

まず、超規則正しい生活を実践しました。
これ、一日中家にいるとかなり難しいんだけど、頑張りました。

そして、色々な民間療法を試していきます。

【民間療法1】木酢液

父親が新聞の切り抜きに載っていた「これでアトピーが治った!」みたいな記事を切り抜いて見せてくれたもので、ちょっと高級な木酢液みたいなやつでした。
「悪い物でもなさそうだから試してみたら?」と言われたので、試してみました。

結果は、効きませんでした。
こういうのは個人差があるから、何とも言えないんだけど、私の場合は、木酢液をつけるとムズムズする感じがして、使い心地が悪かった。
ニオイも臭かったし、すぐに使うのを止めちゃった。

【民間療法2】大根おろし

これは、民間療法に詳しい先生に聞いた方法(何の先生だよw)。
何かの健康食セミナーみたいなところに顔を出した時に相談してみたら、口のまわりに大根おろしを塗ると良いって言われた。

まあ、大根おろしなら簡単に作れるかと思って、口のまわりに塗ってみた(というよりも、盛ってみた)ところ・・強刺激!!

ぐわああああああ!!

大根おろしは凄い威力でした。
一気に口のまわりが腫れ上がってしまい「うわっ!!あの詐欺師!!どうしてくれるんだっ」とか思いましたが、その腫れはすぐに引きました。
何ていうか、ちょっとデトックスされたような気分・・
刺激は強いけど、悪化する事は無く、大根おろしを塗った後は、少しましになった。

けど、だからと言って、治って行く感じもしなかったので止めた。
刺激が強すぎるのが耐えられなくて。

【民間療法3】薬草クリーム

今度は、母が怪しげなクリームを仕入れて来てくれた。
和漢成分がたっぷりと配合されたクリームで、虫刺されやヤケドにも超効く凄いクリームらしい。

使い心地はとってもマイルドで悪く無いんだけど、効き目もとってもマイルドで・・全く効果は感じられなかった。
でも、保湿クリームだと思ってワセリン代わりに使う様になった。

【民間療法4】お酢みたいな奴

これは、どういった経緯で入手したか忘れちゃったんだけど、また木酢液みたいなお酢系の物を試した。
木酢液とは違って、本来は飲用する健康食品みたいな感じの物なんだけど、これを塗って皮膚病が治ったっていう人もいるというのを聞いて試す事になった物だ。

で、実はこれが、凄く効き目があって・・塗った後は、ちょっと患部が熱くなるんだけど、大根おろしの時みたいに真っ赤に腫れる事は無く、しばらくすると肌がスッと元に戻っていく。

これだ!!

薬ではないので、完全に治るっていうことはないんだけど、この酢みたいな奴を塗った上に保湿をすると凄く楽。
この酢みたいな奴の商品名とかが全く思い出せないんだけど、とにかく私には凄く合っていたみたいで、これを使い始めてから、ドンドン回復して行った。

【民間療法5】こりずに漢方

「四物湯」っていう有名な漢方薬を煎じて飲み出した。
これは生理の後から飲み出すもので、肌をキレイにしてくれたり、体の冷えをとってくれたりする効果があるもの。
「四物湯」だけで治るとは思っていなかったけど、少しでも早く肌を正常な状態に戻したかったので飲み出しました。

>>> 【第2類医薬品】四物湯 エキス細粒 48包

前回のアスファルト味の漢方薬が効かなかったのは、調合された漢方薬がこの時の状態に全く合っていなかったからだと思う。
しかし、前回のアスファルト味の漢方に比べると、「四物湯」はジュースかと思うくらい美味しく感じる。
※実際はそんなに美味しい物でもありません

脱ステロイド半年目で就職する

まだ、時々症状が出ることもあったし、口のまわりも色素沈着で黒ずんでいたんだけど、回復してきているのは分かっていたので就活を始めた。
そして、脱ステロイドから半年経った頃に就職が決まった。

実は、もっと色んな怪しい民間療法も試してみたんだけど、どれも効き目はいまいちだった。
しかし、こういった皮膚の悩みを持つ人をカモにした、怪しい商品ってたくさんあるんだよね。
今思うと怪しいな〜って思う商品も、この時は必死だったので素直に試しまくったし、色んな健康セミナーみたいなとこに行ったりもした。
最終的には気功?みたいなのが出るって言う機械を買いかけたし・・さすがに高すぎて、買わなかったけど。
でも、色んな事を試してみたおかげで自分に合う物も見つかったのかな。

ステロイドを使わなくなった直後は、口を開けるのも難しくて、ご飯もまともに食べられなかったし、痒くてたまらなかったけど、ステロイドを使うのは我慢した。
我慢できたのは、たまたま仕事を辞めた後で、家から出なくても良いからだったけど、普通に働いていたら同じ様には出来なかったと思う。

最終的に、完全に痒みや腫れ等が出なくなったのは、発症から約1年経った頃だった。
でも、口元の黒ずみはなかなか戻らなかったなぁ〜

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